マイペースなチート転生者の人生物語 - 才能≠戦闘
「では始めましょうか。手加減はしませんよ」
{フレイムリング}
仮面の男(?)を中心に火が広がり、広場は人が出れないように火のリングが形成された
「目立たずにやるとかいう気はないんだな。…クーと、えーっと、名前決めてなかったけど梟はレイエルのところに行け。この空間から出れるかわからないが」
〔キュー!〕
〔ホー〕
クーと梟は俺の肩から離れ空を飛んでいく
「見つかる危険という点なら問題はありませんよ。今この広場は私が張った結界内にありますからね。よほどの術者でなければ見つかりませんよ」
「…なるほど。なら思いっきりやれるってことだな!」
{ファイアボール・改}
「当たりませんよ、そんなもの」
「なっ!」
複数の火球を放� ��が仮面の男(?)は動作なしで火球をすべて消し去った
(どうなってる?予備動作なしで魔法を無効にするなんて…)
「今度はこちらからですね」
{ブラックアウト}
仮面の男の指先から黒い光の波動が放たれる
「そう簡単に当たるか!」
{アースウォール}
「無駄ですよ」
黒い光の波動は俺の土壁を通過し直撃した
「くっ!」
俺はガードの体制に入り目を瞑るが痛みはなかった。が…
「目が…見えない?」
目を開けると視界は真っ暗になっていて何も見えない
「これで勝負はつきましたね。さぁ、私と一緒に来てもらいましょうか?」
「まだ勝負はついてない!」
俺は奴に向かって一気に加速し近接戦闘を仕掛ける
「闇雲に向かってきても意味はありま� ��んよ。それどころか貴方が不利になるだけです」
「…それはどうかな?」
「っ!ぐ…!やりますね」
サメが住んでいる場所
俺は急回転して仮面の男が移動したポイントに正確に拳を叩き込むが相手は俺の拳を何かで防いだ
「俺には優秀な"耳"がある。これを使えば相手の位置が見えなくても、相手の声・呼吸音・動いた時に発する布の擦れる音・足音等を聴いて判断することができる」
「なるほど…情報に聞いていたより精度がある耳のようですね。仕方ありません…これを使いましょうか」
仮面の男(?)は自分の服の中に手を突っ込んで何かを取り出したようだ
(く…幾ら位置がわかっても視覚なしじゃ相手が次にする行動が目ではわからないな)
「使いたくなかったんですがね…これは貴方を傷つけるものですから!」
{インフェルノ・バット}
「(� ��の流れが変わった?)っ!?」
風が物体に当たる音が大きくなる。これは何か別の物体が現れたこと、しかも大量に。
「避けられるといいですね。一発でも当たったらアウトですから」
「っ!?くそっ!?」
空気を切り裂く音と一緒に何か小さなものが飛んでくる。それを感覚だけで回避するが徐々に追い込まれてきている
「クックック、どうしました?もう避け切れませんか?」
「(まずい…攻撃が速すぎて!)くっ!…痛っ!」
何かは俺の右腕を掠った
「おや、当たってしまったようですね」
「この程度…掠っただけだ!」
「それでもアウトなのですよ」
「なに…っ!ぐふっ!?」
全身に激痛が走り、口・耳・鼻などからおもいっきり吐血する
「げふ!ごほっ!…ど� ��毒…か?」
「まぁ、それに近いものですかね。それより早く動かないと次が当たりますよ?」
「はぁ、はぁ…くそ!」
激痛を堪えながらまた回避運動に入る。今度は細かく動くんじゃなくて大きく動いて敵を撹乱する
どのようにジプシー蛾は問題を引き起こしている
「(身体が…うまく動かない。もう解毒が終わってもいいはずなのに)はぁ、はぁ」
「解毒ならできませんよ」
「なに!?」
「さっきも言いましたが厳密に言えば毒では無いのですよ。今の貴方では見ることはできないと思いますが、インフェルノ・バットという魔法は闇と火の多色複合魔法。形は蝙蝠ですが、当たると体内に侵食性のある闇の火が体内に入り体を焼き尽くす、というものなのです」
「はぁ、はぁ、そうか。毒は解毒したら…効果は…なくなる。けど、体内を焼く火は…焼き尽くすまで消えない…ってことか」
「そういうことですね。しかも貴方はハーフ、体内の再生スピードは従来の人よりも何倍 も高いでしょう。ならば余計に体が焼かれる痛みに蝕まれる」
「俺が…はぁ、ハーフだって事も知ってるのか…」
「ええ、私は情報を元に戦略を立ててますからね」
(ちょっとまずいかな…痛みはそろそろ慣れる。だが体が上手く動かないのはきつい)
目は見えない、更に身体は痛みが走り上手く動かない状態だ
{ウォーターアロー・改}
「おやおや、これは避け切れませんかね」
無数の水の矢を四方八方に放つ。これなら避けきれないはずだ
「ですが意味はありません。こんなもの避ける必要もない」
「(水の矢の音が消えた?)…なにをした?」
「やれやれ、まだわからないのですか?私は最初この広場を火で包みました」
「まさか…蒸発した?」
「そうです。貴方は気づ� ��てないのですか?既にこの空間はサウナと変わらないほどの温度になっています」
「馬鹿な!そこまで熱かったら誰でもわかる!」
噴火するポポカテペトル山の原因は何ですか?
「クックック、今の貴方にそんなことがわかるわけありません。なぜなら貴方の身体は火で焼かれている。そんな状態で外気温が正確にはわかるわけないでしょう?」
確かに体の中を火で焼かれてる痛みは、体温が異常に上昇してる意味もある
「なら水や氷系統じゃなければいいんだろ?」
{ヴォルケーノストライク}
巨大な炎球を左手に発生させ、留める
「その程度では避けれますよ?」
「ならこれでどうだ!」
{ヴォルケーノストライク}
右手にも同じ炎球を作り出す
「…では私も」
{ファイアボール}
「舐めやがって…!」
相手は火球、こちらは炎球、差は歴然と している。相手のやり方にいらつき両手にある炎球を相手に向かって放つ。炎球二つと火球はぶつかり合い激しい音を奏でる
「別に嘗めてる訳じゃありませんよ。貴方程度にはこれで十分なだけです」
「なんだと!」
「例え貴方にどれだけ才能があろうと、貴方にはそれを活かす技術も経験もない。それでは上級属性の炎でも…」
(押し負けてるのか…?)
炎球二つの音はどんどん小さくなっていき、火球の音は激しくなっていく
「弱くなってしまう」
「ぐぁ!」
火球は炎球を弾き、俺の右肩に着弾する。痛みは体内を駆け巡る火とは段違いだ
「もう止めましょうか?私はあまりいたぶる癖はないので」
「げほ!…はぁ、はぁ」
(なんとかしないと!身体が火で焼かれてる今は再生� �力がまるで役に立ってないし、目も見えない。…だがチャンスは一回ある)
仮面の男(?)はこちらに近づいてくる
「すこしやり過ぎましたか…だが殺さなければ問題はないでしょう」
仮面の男(?)は俺の左腕を掴む
「(今だ!)凍てつけ!!」
「なっ!」
右手に藍色の魔力塊を形成し、俺の左腕を掴んでいる仮面の男(?)の右腕に思いっきりぶつける。すると相手の腕は青い色の炎が発生する
「これは炎か!?小癪なマネを…!」
「違う!それは炎は炎でも、凍る炎だ!」
「なっ!?腕が凍っていく!?くそ!」
仮面の男(?)は俺の手を振り払い距離をとる。だが肘から先は凍ってバラバラに砕け散っている
「…やりますね。これでは私ももう戦えそうにはありませんね、一旦退きましょう」
「はぁ、はぁ」
「貴方も限界のようですからね。ああ、消える前に少しだけ言わせてください」
「?」
「貴方はもう少し魔法を学ぶべきだ。そうすれば次はマシな勝負ができるでしょう」
「はぁ、は ぁ…腕無くしてるくせに、偉そうだな」
「そうですね。ではごきげんよう」
仮面の男(?)は転移の札を使いこの場から消えた
0 コメント:
コメントを投稿